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レディース大会観戦記

今日は県内で行われた、女性だけの将棋大会「レディース大会」を見に行ってきました。うちの教室からは、なみさん(私と同年代)とひとのちゃん(小学3年生)が出場。私は今山形市の方に通って仕事をやっているので、仕事だった今日も朝礼をし、段取りをつけてから車を飛ばし、作業着の上着だけを脱いで受付開始の時間あたりに会場に到着しました。

今回の大会は3つの部門を同時に同じ会場で行うとなっていたようで、たくさんの人達が集まっていました。会場にいるはずのなみさんと、ひとのちゃん、ひとのちゃんのお母さんを探す。
「(私)おはようございます。」
「(なみさん)あ、鈴木先生、おはようございます」
「(私)ひとのちゃんのところはもう着いていますか?」
「(なみさん)ひとのちゃんならそこの前にいますよ」
と言われ、そこの席に行ってみる。
「(私)おはようございます」
「(ひとのママ)あ、おはようございます。ほら、ひーちゃん、鈴木先生来てくれたよ!」
それから私は
「(私)ひとのちゃん、食べる?」
と言って必殺「キットカット」をひとのちゃんに差し出す。
「(私)ひとのちゃん、なんでキットカットなのか分かる?」
「(ひとの)んーーー」
「(ひとのママ)キットカットーきっと勝つですね!」
すぐ思いつく、ひとのママは筋がいい(^^;。このキットカット作戦は私が昔「早咲誠和81番勝負」の時あたりから試している縁起のいい作戦。これを弟子達に伝授しないわけにはいきません(^^;。
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会場には更に人がたくさん集まってきていて((私)よけいな人から声かけられないといいな~)
などとは思っていながら、昔からの悪友、仲間と思っている人達とはやはり話してみたくなります。阿部さん、今野さん、山寺君、田部井君、光明さん、外島君、上野さん、土屋君、増子君、矢口さん他モロモロ・・・。将棋と言ったら将棋教室一本になった私の近況なども含め、みんなバカ話を合わせ(^^;話かけてくれます。みんなあいかわらずです。大泉県連会長さんにも毎度ながらお声かけをいただいたり。大泉さんとは私が中学生だった時の天童のヤマザワ杯の時からのお付き合い。その時のまま、今になったような錯覚をいつも抱いたりします。
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今回のレディース大会は参加者13人のよう(社会人4人、大学生1人、高校生1人、小中学生7人)。1回戦、ひとのちゃん不戦勝(戦わずして勝つ!(^^;)、なみさんの将棋をなみさんの目に入らない程度の横で見ていました。

なみさん、将棋教室に来るようになって今日調べてみたら5年半!その中、今回大会初出場である。電話でも「頑張って、気軽に出てみましょう」と口説き倒して(^^;の今回の出場。最近、家の子供さんの事や仕事の慌ただしさもありなかなか将棋もできていない状態ながら、筋などは昔からピカ一(私とは2枚落ちでずっと指しているぐらい)。心配なのはメンタルの方である。ひとのちゃんは3年生ながら大会にはもう10回近く?出ているから慣れているのでそちらは心配いらないぐらい。初参加というそれでの心の舞い上がりなどで、力をまったく出せないなどという事になるまいか。という事で今回の大会、私がいかないで誰が勇気づけてあげられるんだ、と思って行く事にした意味も大きかったです。

なみさんの1回戦の相手は同じ社会人の女性の方。図のような局面でした。なみさん得意の矢倉スズメ刺し。ここでなみさんは△9五歩と攻めていったのですがこれは疑問手。
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▲8八王の形なら端攻めはきつい攻めになるのですが、先に▲8八銀と警戒されるとこれは固い所を攻めているという事でなかなかうまくいきません。それよりは「▲8八銀を壁銀にさせた」という感覚で、手薄となった5筋、6筋から攻めていくのが本筋となります。具体的に言えばこの局面から△8五歩(先手に▲8六歩~▲8七銀の銀冠の形を作らせない意味)▲7九玉△4三金右▲2六銀△6四歩▲3五歩△同歩▲同銀△3四歩▲2六銀△6三銀▲3七桂△5五歩▲同歩△6五歩▲同歩△7五歩▲同歩△同角などと、先手の手も甘い箇所はありますが例えばこう進んだとすると、先手の弱点が浮き彫りとなってくるでしょう。つまりは▲8八の銀が壁になっており王様が狭い、▲7七銀の形であれば▲6六銀などという受けも効くがそれも効かない(それが「5筋、6筋が手薄だという意味)などがあります。
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ただこの▲8八銀とする形は部分的によくある受けではあるのですが、ただ私の感覚で言えばこの形で受けるのであれば先手の▲3七銀はバランスの悪い形とは思います。と言いますのは少し戻って、形はこの局面から
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▲4六歩△4三金右▲4七銀△6四歩▲7七桂△6三銀▲5七角△5三角▲8九玉とする「菊水矢倉」にするのが一つの形で(中原先生が名人だったころ、スズメ刺し相手に好んで用いた形でもあります)
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その場合この▲4七銀がバランスがよく、▲3七銀の手は菊水矢倉というそれに直線的な攻めまでを見せているちょっとバランスをかいた形だから。ちょっと難しいかもしれませんが、私がこの壁銀+3七銀の形にされれば「シメシメ」と後手を持って思う感覚はあります(相矢倉はこのあたりの駒組が非常に大事。仕掛けで決まってしまう事も多いです)。

そこまでは教えていなかったのもありなみさんは駒損から不利~敗勢にになっていき、そして最後は持ち時間の25分の半分近くをも時間を残して敗戦となりました。その終わってからの合間、私が行った、見ていた利点を生かし、次にいい影響を与えるアドバイスをなみさんにしてあげなくてはなりません。
「(私)なみさん、駒損をしたり、悪くなってから考えてももう遅いんです。強い人は悪くならないように考えるのです。局面が明らかな優勢になれば、時間などさほどなくても大丈夫なんです。もっと、さっきの倍も考えましょう。そうすれば大丈夫ですから」
「(なみさん)秒読みになるのが怖くて早く指しすぎました。次の将棋は気をつけて指したいと思います」
このアドバイスが効いてかなみさん、2局目は大化けしたいような大熱戦のすごい将棋を繰り広げる事になります。

1回戦不戦勝のひとのちゃん。2回戦は大学生の人と対戦です(この方、ひとののお母さんと顔そっくりでビックリしました(^^;))。相手の人の四間飛車にひとのの天守閣美濃(図が少し違うかもしれません)。今△6六角と歩を取られてしまったけど
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↑ すいません、先手がひとのです。図面間違い。

この子はこうした角道をずっと開けないという手をよく大会とかでも指しているよう。まるで先手ごきげん中飛車に角道を開けないあの手法のようですが(^^;。
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ただこの将棋で6六の歩を取られたので単にウッカリだったようで、ここでどう指すのか見ていました。長考後、指した手が▲7六歩!。以下△8八角成▲同王△6六角▲7七角!△同角成▲同銀と進む。この手順は「強くなったな~」と感心してみていました。1年ほど前に将棋を覚えて以来、それ以降10回近く大会に出るほど、教室でも1番に頑張ってきたひとの。半年前ならここで飛車を逃げていただろう。

以下もよく指して、簡単につぶされない手を連発して優勢にもっていくひとの。私の「よく考えて指すんだよ」という言葉を実践してくれているよう。▲5二金~▲6二成香と美濃囲いく食らいつき、これは大学生相手に勝ってしまうんじゃないだろうかと思ったほどでした。ただそこは大学生の終盤の技で上部を開拓されて、そこに王様が逃げられるようになってからはもう後手勝勢に。ただ最後まで、本当に可能性がある限り、竜をひきつけたりして粘るひとの。最後は負けてしまったけれど、その頑張る姿に心打たれるものがありました。

2回戦のなみさんの将棋。この将棋は私もタブレットを持ち、横で記録を採っていました。相手は中学生の子。戦型は今プロ間でも大ブームとなっている角換わり腰掛銀戦法に進む。ただおそらくこの戦型というのはなみさんは今まで教室の中でも指した事がないはず。そんな事でもこの大会に向けて、今の慌ただしい中でもできる限り棋譜並べ等頑張っていたのを、もう5年半も教えてきたような仲だからハッキリ感じる事ができました。

今先手が▲4五歩と仕掛けてきたところ。
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まるでプロの将棋を見ているようである。ここでなみさん△3五歩と指し、以下▲2四歩△同銀▲4六角△3六歩▲6四角△6三金▲4六角△3七歩成▲同角と優勢に進める。何分先ほどの一局目と違い、時間を十分に使っているのが見ている方でも安心して見ていられる感じがしていました。

局面は終盤に。もう大熱戦で私も自分の将棋でも今まで経験した事がないぐらい、心臓バクバクである。横で一緒に見ていたひとのちゃんにも
「鈴木先生、心臓バクバクだずは」
と言って笑わたりしました(^^;。

図は今△3九飛車と王手をしたところ。
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横のひとのちゃんにも耳元で
「(私)なみさんのあの王様、そのまま2七までたどりつけば勝ちだね」
などと言っていたり。そこの「入玉すれば勝ち」の感覚を持っているか。不慣れな一手30秒の秒読み。頑張ってくれ、手を合わせ、拝む。そして最後の方、こう指せば入玉確定、そう見ていた矢先・・・時間に追われたなみさん、28秒でパッと指した手が勘違い。顔が(アッ)っと言っていた。これは負けになったかと思ったけれど、最後の方でも相手の人が今度は間違い、なみさん、銀で相手の竜を取ればこれも秒読みなだけにもう訳が分からない。勝ちか!と見ていたら、盤上で手がさまよったそれで一瞬着手が遅れ、無念のなみさんの時間切れ負け・・・。

私も悔しくて茫然として見ている。なみさんも悔しそうだ。でも・・・これだけの大熱戦の将棋指せた、見れただけでも本当に出場させてよかったと思った。教室に通って5年半。私と同年代としても慌ただしい中でやってきた将棋というものでも、得る事ができた事も本当に多かったのではないかと、そんな事をも感じさせる将棋でした。

休憩の時、私の横に座る。
「(私)なみさん、今の将棋、すごくよかったですよ。よく考えて頑張りました。これだけの将棋指せれば次は絶対勝てますよ」
「(なみさん)そうですか、ありがとうございます」

そんな事で午前中は2局、そこで正午となり、本当はもっと最後まで見たかったのだけれど山形市の仕事をしている所に戻る事に。なみさん、ひとのママ、ひとのちゃん、他会場の仲間に挨拶をして一路、車を走らせる。

その後もひとのママからその対局の度結果報告をもらい、なみさんは次の将棋は不戦勝、最後の4局目は勝ち!。ひとのも3局目勝ち(相手小学生)、4局目負け(相手社会人)。2人共、不戦勝1つを入れての2勝2敗という成績だったようでした。

その後、なみさんからメールをいただく。「将棋を指す女性とも交流できて楽しかった。いい記念になりました」。その言葉を聞いただけでも本当にうれしかった。無理やりでも出させた今回の大会。ただそうした事をしてこその先生だという自負はあって。でも出させた事がマイナスになったらどうしよう、そんな事もここ数週間、なんとなく頭に置いていたり。だからその言葉をくださって本当によかった。慌ただしい中大会に出させてくださっただんなさん、子供さん2人にも感謝します。まさき、お母さん、今回本当に頑張ったぞ。

今回のこの女性だけの大会の内容、本当によかったと思いました。またこれからも続くような事があったら、また次回はゆきさん、かよさん、ひなちゃんも一緒に出ましょう。置賜勢でも将棋を指す女の人、いっぱいいるんだというのを見せてやりましょう。今出場した2人の話を聞きながら、また次回教室でも練習していきましょう。関係者のみなさん、今回はいい思いをさせていただき、本当にありがとうございました。

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